業績向上のために

1.予算を策定すること

 「予算を策定してもその通りには行かないから」と否定的な経営者は少なくありません。

 逆説的なようですが、「その通りに入っていない」ことを確認することが大切です。

 当事務所では、毎月の打ち合わせで、当期の実績前期との比較予算との比較(進捗状況)

報告します。

 それぞれの差が何から生まれているのかを考えることが、経営の気付きやヒントになると考えています。

2.変動費、固定費、損益分岐点を把握すること

 経営に携わらなくても、変動費固定費損益分岐点売上高という言葉を聞いたことがある方は

多いと思います。

 しかしながら、自社の変動費固定費損益分岐点売上高を把握している経営者は、意外な程に

少ないのが実情です。

 仮にある会社が飲料品を販売しているとします。

 今月の一本の仕入値が80円、売値が100円で、5万本仕入れて全て販売したとします。

 店舗の家賃が50万円です。

 ①この場合、売上は5万本×売値100円=500万円となります。

 変動費とは売上に直接起因して発生する費用のことです。

  この場合は売上に対応した5万本×仕入値80円=400万円が変動費です。

 固定費とは売上に関係なく発生する費用のことです。

  この場合は必ず(売り上げがなくても)発生する家賃の50万円が固定費です。

 集計すると①売上500万円ー②変動費400万円ー③固定費50万円=50万円

 めでたく50万円の利益が残りました。

 では損益分岐点売上高とは?

 損益分岐点売上高とは利益がちょうどゼロとなる売上高のことです。

 このケースの場合、2.5万本売り上げたとすると

 ①売上は 2.5万本×売値100円=250万円です。

 ②変動費は2.5万本×仕入値80円=200万円です。

 ③固定費とは売上に関係なく50万円です。

 集計すると①売上250万円ー②変動費200万円ー③固定費50万円=0万円

 つまり、2.5万本×売値100円=250万円が損益分岐点売上高となります。


 そんなに難しい話ではありません。

 ではなぜ自社の変動費固定費損益分岐点売上高を把握している経営者は少ないのでしょうか。

 その理由は把握できる会計ソフトでない、もしくは会計ソフトに把握するための設定をしていないからです。

 先程のたとえ話は、単純化するために固定費は家賃だけでした。

 しかし実際には経費は様々なものがあり、例えば人件費や消耗品などは、変動費の性質のものと、

固定費の性質のものが混在していることもあります。

 そのため、費用の内容を把握し、区分して集計するための会計ソフト、及びその設定が必要なのです。

 そして、難しい話ではありませんが、変動費固定費損益分岐点売上高を把握していないと

どれだけ売上をあげればどれだけ利益が出て、いくらお金が残るのかを予測できません。

どれだけ頑張ればいいのかがわからないのです。

 余談ですが、私が以前勤めていた製造業の会社(今はもうありません)は、原価割れしていると

思われる商品を複数抱えていました。

 頑張って仕事をするほど、赤字が増えてお金が減っていたんだと思います。

3.会計ソフトを活用すること

 税理士に仕事を依頼するのは税務申告のため、と考えておられる経営者は少なくありません。

 その場合、会計ソフトは決算報告書を財務諸表を作れれば十分となります。

 しかしながら、会計ソフトにはそこにとどまらない機能を備えたものもあります。

 これを活用しない手はありません。

 いくつか具体例をあげてみます。

①売上高

(ア)合計額を表示する場合

   売上高 10,000,000

  決算書への記載だけなら合計を把握していれば十分です。

  でも、付加価値のある情報とすることも可能です。

(イ)得意先別に分類した場合

   この方が経営判断に生かせる情報といえます。

  さらに、別の切り口を加えることもできます。

(ウ)得意先別かつ月別に分類した場合

どれが経営に役立つ情報かは明らかだと思います。

多店舗経営の場合は、店舗別に集計することも可能です。

重要なのは、(毎月の会計担当者の事務作業はほぼ変わることなく)

会計ソフトの初期設定によって、集計される情報の質が決まるということです。

そして、クラウド会計を利用すれば、それを社長のパソコンで確認できます。

②借入金

もう一例考えてみます。

(ア)合計額を表示する場合

   26,400,000

  売上と同様にこれで決算書へ記載できます。

 (内訳書にどこまで記載するかの判断は残りますが)

 しかし、売上同様情報を付加することができます。

(イ)金融機関別に分類する場合

  A銀行 2,160,000

  B銀行   480,000

(ウ)融資ごとに分類する場合

  A銀行 1,500万円口(30万円/月)  7,200,000

      2,000万円口(20万円/月) 14,400,000

  B銀行   700万円口(10万円/月)  4,800,000 

この方が、将来の返済予定、資金繰りをイメージしていただきやすいのではないでしょうか。 

事務所概要

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E-mail

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